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「コロナ制圧タクスフォース」発足、重症化メカニズムの解明を目指す

「コロナ制圧タクスフォース」発足、重症化メカニズムの解明を目指す

慶應大などの8大学・研究機関は21日、新型コロナウイルスに関する共同研究グループ「コロナ制圧タスクフォース」を発足させると発表した。参加するのは、慶應義塾大学、東京医科歯科大学、大阪大学、東京大学医科学研究所、国立研究開発法人国立国際医療研究センター、東京工業大学、北里大学、京都大学。感染症学、ウイルス学、分子遺伝学、ゲノム医学、計算科学を含む異分野の専門家が集結する。

新型コロナウイルス感染症の最大の脅威の一つは、重症患者のうちの多くが短時間のうちに急に重篤化することで、その救命のために大きな医療リソースを必要とするという課題がある。

今回発足した同タスクフォースは、新型コロナウイルス感染症が重症化するメカニズムの遺伝的な基盤を解き明かすことにより医療崩壊を防ぐことを緊急の目標とし、さらには新型コロナワクチン開発を目指す。

具体的には、日本人のCOVID-19の人口当たりの死亡者数が欧米諸国に比べ圧倒的に少ない点に注目。日本人における重傷感染者と軽症・無症候感染者を比較することで日本人特有のCOVID-19重症化に関連する疾患感受性遺伝子の探索を行う。こうして得られる知見からCOVID-19診療における治療予測を提供するだけでなく、有効な粘膜ワクチンを開発していく。

同タスクフォースの研究チームは、日本人COVID-19患者の血液検体を600人分集積する予定で、すでに取り組み始めている。19日現在で10施設で研究の倫理委員会の承認を得て検体集積が始まっており、40施設が申請をしているが、今後も可能な限り多くの医療機関の参画を呼びかけていくとのこと。

これらの検体を用いて全ゲノムシーケンス解析などの包括的な解析を行い、重症化に関わる遺伝子を同定する。

同タスクフォースでは、研究成果と研究の進捗は専用サイトに掲載・更新していく。7月に一旦収集した検体のヒト遺伝子を解析し、9月を目処に研究成果を速やかにまとめる予定だ。

画像提供:コロナ制圧タスクフォース