IUCNレッドリスト更新、キツネザル類など深刻な危機

IUCNレッドリスト更新、キツネザル類など深刻な危機

IUCN(国際自然保護連合)は9日、絶滅の恐れがある野生生物を記載する「レッドリスト」の最新版を公開した。マダガスカルのキツネザル類の31%とタイセイヨウセミクジラ、ヨーロッパハムスターが「深刻な危機(CR)」とされた。レッドリストでは12万372種が評価され、そのうち3万2441種が絶滅の危機に瀕している。

現存するキツネザル類107種のうち103種が、マダガスカルでの森林破壊と狩猟によって絶滅の危機にさらされている。焼き畑農業や燃料用に森林が伐採されたことで森林破壊が進み、また狩猟は違法とされているが依然として続いている。CRに新たに掲載されたベルテネズミキツネザルは世界最小の霊長類だ。

タイセイヨウセミクジラは、2018年末には成熟個体は250頭以下しか生き残ってないと推定され、2011年から約15%減少した。原因は漁具の絡まりと船舶への衝突による死亡率増加と繁殖率低下によるものだ。気候変動により状況が一層悪化している。

ヨーロッパハムスターはかつてはヨーロッパからロシアまで多数生息していたが、分布域全体で重大な個体数減少を引き起こしている。繁殖率の低下によるものだが原因はよくわからず、単一作物農場の拡大、工業開発、地球温暖化、光害などが調査されている。

また今回の評価では菌類について、世界で最も高価な菌類である冬虫夏草の一種シネンシストウチュウカソウや、日本で伝統的な秋の味覚の高級食材であるマツタケが「危急(VU)」とされた。

トヨタ自動車の山戸昌子環境部長は、「4260種の動物・菌類・植物の評価が今回の更新版に加わったことと、アフリカの霊長類全種の再評価が完了したことは、保全活動を促進し活発にしていくために極めて重要だ。今後の持続可能な開発目標(SDGs)に向けての重要な指針を与えることになる」と述べた。

画像提供:IUCN
 

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