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コロナウイルス感染疑い、「同居家族」になって【前編】

コロナウイルス感染疑い、「同居家族」になって【中編】

5月の緊急事態宣言下で夫(29歳)が発熱。病院では風邪と診断されるも微熱が続き、ついにPCR検査を受けることになった。

同居家族の発熱で「出勤不可」に

筆者の勤務先では、本人または家族の37.5度以上の発熱で「出勤不可」となっていた。しかし公式に「37.5度以上の熱」「4日以上」の基準が削除されたことにより、夫のように風邪と診断されて微熱であっても、同居家族である筆者も出勤不可という扱いを受けることになった。

夫は熱がずっと下がらないものの、コロナの疑いをかけられる高熱には至らず、どっちつかずの状態だった。それに対して筆者の勤務先の上司からは、「保健所でPCR検査を受けることはできないのか」と聞かれたが、病院では「風邪」「たぶんコロナではない」と言われて検査までは進めなかった。

筆者の勤務先は都内中心部にあり、社内ではすでに複数の感染者が出ていた。結局筆者は、発熱した夫が解熱剤なしで平熱となり、さらにそこから数日経つまで、ゴールデンウィークから5月28日までの約1カ月間、通常出勤できない状況となった。

微熱が下がらず再診へ

夫は3日間解熱剤を飲んでも微熱が下がらず、5月11日、再度B病院を受診することにした。この日は先に、家の近くのA医院の内科を受診することも考えたが、「熱がある」旨を伝えたことで「受け入れができない」と言われた。そこで再び、B病院で予約を取ることになった。B病院に電話をすると、その日のうちに予約・受診ができた。筆者は受診の度に夫に付き添っていた。近隣の病院のホームページをいくつか調べたが、「熱がある場合は受け入れられない」と書かれた病院は多かった。

再診では血液検査をし、ウイルス性の病気にかかっている可能性は低いと言われた。この症状では軽いので、やはり保健所のPCR検査は受けられないという。担当医は、あまり感情を表に出さないタイプの先生だったが、この日は保健所や政府の対応に苛立ちを感じているのが伝わってきた。

保健所以外でPCR検査が受けられるように

しかしこの日、筆者たちが在住している市が独自に開始したPCR検査があり、熱が長く続いている場合は申し込み書類を出すことができるのを知った。ただしこれは、医師経由でないと申し込みができないという。自分たちでは検査を受けるべきかどうか決めかねたので、それぞれの勤務先に相談をすると、夫も筆者も「検査を受けてほしい」と言われ申し込むことにした。

PCR検査関連の書類は受診の翌日、筆者が受け取りに行った。それまでは風邪の患者として扱われていた人がPCR検査を受けることになった時点で「コロナウイルスに感染している可能性がある人」という扱いになる。そうすると、患者本人は病院に出入りすることができなくなるため、書類は「本人以外が取りに来てください」と指示された。

5月12日、検査関連の資料を受付で看護師さんから受け取り、病院の外に出てカバンにしまいながら、誰かにこの書類を見られたら何か言われるのではないかと急に周囲の視線が気になり始め、恐怖に駆られた。また、筆者自身も濃厚接触者になるかもしれないという可能性の中で、ずっと病院と自宅を行き来する日々を過ごしていたため、次第にストレスが溜まっていくのを感じていた。そのため、夜になると家の中にいるのが不安になって、目的もなく近所を歩き回ったりもした。(後編に続く

(写真はイメージ)

コロナウイルス感染疑い、「同居家族」になって【前編】

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