系外惑星探査で見つかった奇妙な星

米航空宇宙局(NASA)のケプラー宇宙望遠鏡が公開した観測データから、明るさが非周期的に5~80日で20%も低下する奇妙な星が見つかった。論文は米イエール大学天文学部のタベサ・ボヤジアン研究員らが、9月11日に米コーネル大学図書館が運営する論文公開サイトarXiv.org(アーカイブ)で発表した。

ケプラー宇宙望遠鏡は、惑星が恒星の手前を横切る時に周期的に明るさがわずかに低下する現象をとらえることで、太陽系外の惑星(系外惑星)を探している。今回見つかった奇妙な星は「KIC 8462852」と呼ばれ、地球からは1480光年離れている。

論文では、さまざまな可能性を挙げた上で、「砕けた彗星」が最も魅力的な説明だと結論付けている。一方で、「ダイソン球」のような地球外の知的生命体が設置した人工構造物によるのではないか、とも話題になっている。ダイソン球とは、恒星の発するエネルギーを究極的に利用するために、いずれ恒星を覆うように作られる人工構造物のことで、米宇宙物理学者のフリーマン・ダイソンが1960年に提唱した。

さらに観測を積み重ねることで、この奇妙な星の正体が少しずつ明らかになっていくことだろう。

画像提供:arXiv.org