• Local
  • 地域を活性化させ豊かな日本に

ご当地自慢を探せ!(36)三陸の夏の味わい「ホヤ」

リアス式海岸で有名な三陸海岸。複雑に入り組んだ地形は美しい景観として有名だが、三陸沖は世界でも有数の漁場であり、沿岸ではウニ、アワビ、ワカメなどの漁も行われている漁業が盛んな地域だ。

岬と入り江が入り組んだ複雑な地形の中では養殖がさかんに行われ、その見た目から「海のパイナップル」と呼ばれる「ホヤ」も養殖されている。かたい殻に包まれているので貝の仲間だと思われがちだが、生物学的にいうと尾索動物と呼ばれ、実は、分類上は人に近い海の動物である。

世界には2300種類のホヤがいるが、日本で食用とされているのは「真ホヤ」と「赤ホヤ」。主に東北地方や北海道で漁獲もしくは養殖されており、三陸海岸を有する宮城県が全国シェアNo.1を誇る。

三陸沿岸部では昔から刺身や加工食品で食べられていて、三陸で生産されている真ホヤは身が黄色く「肉厚な身」と「甘み」が最大の特徴。ホヤの旬は5月から8月で、まさにこれからの時期が一番おいしいと言われている。

ホヤは飲食店でも提供されているほか、スーパーや道の駅などでも売られており、家庭でも食べることができる。味は甘味、塩味、酸味、苦味、うま味を一度に感じられる複雑な味。他に例えることができないその味は、好き嫌いも分かれる。

また、ホヤは栄養が豊富で、認知症予防に効果があるといわれているプラズマローゲンも含まれている。

 

養殖用のいかだが並んだ気仙沼の海岸

いけすに入って丸ごと売られているホヤ

むき身になっているホヤ。他には冷凍しているものや味付けしてあるものもある。