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【ノーベル賞2024】平和賞に日本被団協 原爆体験者の核廃絶運動を評価

ノルウェーのノーベル賞委員会は11日、2024年のノーベル平和賞を「日本原水爆被害者団体協議会(以下、被団協)」に授与すると発表した。核兵器のない世界の実現に向けた活動と、被爆証言を通じて二度と核兵器が使用されてはならないことを訴えてきたことが評価された。

1945年8月の広島・長崎への原爆投下後、日本を始め各国の原子兵器禁止を求める訴えがなされ始めた。しかし1954年には、太平洋ビキニ環礁での水爆実験で第五福竜丸などが被災したビキニ事件が発生。世界で原水爆開発実験が継続される中、1955年に広島で第1回原水爆禁止世界大会を開催した。大会宣言で「原水爆が禁止されてこそ真に被爆者を救うことができる」と指摘。同宣言の1年後、長崎で被団協が結成された。

被団協の運動は、結成から現在に至るまで、核兵器廃絶と被爆者への国家補償を求めることを柱とする。証言の提供や、国際的な場へ代表団を派遣しての核廃絶の訴え、被爆資料の展示など草の根での活動を継続してきた。

広島と長崎の経験から、核兵器の使用は道義的に容認できないという「核のタブー」が規範となった。しかし昨今の国際情勢は、この「核のタブー」規範が危機に瀕し始めている。この規範を後世に保持するために、被爆者が果たす役割は他に変えられるものはない。また、被団協の継続的な活動の中で、若い世代が証言を語り継いでおり、継続的な規範保持への貢献も評価された。

(写真はイメージ)