
世界初、LED植物工場でエダマメの安定生産に成功 東大など
東京大学と法政大学は16日、これまでレタスなど一部の野菜しか栽培できなかったLED植物工場の養液栽培で、世界で初めてエダマメの安定生産に成功したと発表した。これにより、耕作が困難な都会や、さらには宇宙空間においてもエダマメを栽培できる可能性が示された。食料問題の解決や健康的な食生活への寄与が期待される。この研究成果は国際学術誌に掲載された。
人工光型植物工場は、LEDや空調を用いて光・温度・湿度・二酸化炭素・養液を自在に制御して一年中安定した作物生産を可能とする。しかし、これまでは主にレタスなどの葉物野菜が中心で、成長に時間がかかる豆類や果菜類は実績がなかった。
研究グループは今年の7月にはLED植物工場でトマトの安定栽培に成功し、次なる一歩として選んだのがエダマメである。エダマメは人気が高く高タンパク・高栄養の作物である一方、収穫後すぐに鮮度が落ちるために市場に出回る期間が限られる。
研究では3種類の水耕栽培システムを用いて栽培実験を実施。これらと従来の露地栽培を比較した。その結果、「NFT方式(養液膜栽培)」により、露地栽培を上回る収量を安定して得られることが明らかになった。さらに、NFT栽培では、甘味を左右する糖や健康成分であるイソフラボンが豊富に含まれ、味や栄養価においても優れていることが示された。

今回の研究は、人工光型植物工場でエダマメを安定的かつ高品質に栽培することに世界で初めて成功した。これによって今まで夏にしか楽しむことができなかったエダマメが、今後一年中食べられるようになるかもしれない。都市農業の新しいビジネスモデルや、長期宇宙ミッションの食料供給源としても、大きな期待が寄せられる。
画像提供:東京大学(冒頭の写真はイメージ)
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