進化の過程で独自に鼓膜を獲得 哺乳類と爬虫類・鳥類

 マウスとニワトリの鼓膜がどのようにできるのかを調べたところ、別々の発生メカニズムであることが理化学研究所の倉谷滋主任研究員らの研究で分かった。約3億1300万年前に哺乳類と爬虫(はちゅう)類・鳥類が分岐した後に、互いに独自に鼓膜という哺乳類と爬虫類・鳥類でそっくりな構造を獲得したということになる。同研究は22日、英科学雑誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。
 鼓膜で受け取った音の振動は、中耳骨を通して神経に伝達される。中耳骨は哺乳類では3個、爬虫類・鳥類では1個。これまで、この違いがどのように生じたのか分かっていなかった。研究グループは、下顎に分化する遺伝子の働きを抑える操作により、下顎の位置にも上顎ができるマウスとニワトリを作り出した。すると、マウスは鼓膜がなくなり、ニワトリは鼓膜が上下に拡張した。マウスの鼓膜は下顎の一部からでき、ニワトリの鼓膜は上顎の一部からできると分かった。
 「私たちの身体がなぜこのような形をしているのか」という問いに対して、進化の歴史から掘り起こす方法がますます重要になっていくだろう。

関連記事一覧