廃棄ココナッツから省エネで航空燃料を製造、大阪公大が実用化へ前進

大阪公立大学は9日、規格外ココナッツを原料にした航空用バイオ燃料を製造し、実際の航空エンジンで利用できる可能性を確認したと発表した。二酸化炭素(CO2)の排出削減が求められる航空分野で、持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel:SAF)の実用化につながる成果として期待される。研究成果は国際学術誌に掲載された。

航空業界では、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、従来の化石燃料に代わるSAFの導入が進められている。一方で、現在利用されているSAFの多くは製造時に高温・高圧の処理を必要とし、エネルギー消費やコストが課題となっている。また、バイオ燃料の原料として廃食用油の利用が進められているが、原料の不足なども指摘されており、新たな原料の確保が求められている。

研究グループは、東南アジアで大量に廃棄されている規格外ココナッツに着目した。ココナッツは未成熟や傷などの理由で食用に適さず廃棄されるものが収穫量の約30%に上り、廃棄の過程における環境負荷も問題となっている。一方で、ココナッツ油は油分を多く含むため、バイオ燃料の原料として利用できる可能性が高いとされてきた。

今回の研究では独自に開発した「共溶媒法」と呼ばれる製造技術を使い、ココナッツ油から純度97%以上のバイオ燃料を製造した。この方法は、常温・常圧に近い条件で燃料を製造できることから、製造時のエネルギー削減が期待できる。さらに、製造した燃料を航空用小型ジェットエンジンで燃焼させる試験を実施し、燃料の一部をバイオ燃料に置き換えても、エンジンの熱効率は従来のジェット燃料と同程度であることを確認した。また、燃焼による排気成分の調査により、ココナッツ由来のバイオ燃料が、既存の航空用エンジンに利用できる有望な燃料候補であることが示された。

研究グループは今後、燃料性能の向上や100%バイオ燃料での運転技術の確立、環境への影響評価などを進め、実用化を目指す。廃棄されていた農産物を航空燃料へ転換することで、温室効果ガス削減だけでなく、ココナッツ生産地域の新たな収入源づくりにつながることも期待される。

画像提供:大阪公立大学