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「太平洋島嶼国」 意外と身近な南の島国【ニュースのコトバ解説】

「太平洋島嶼国」とは、太平洋に点在する島国や島しょ地域の総称だ。日本から遠く離れた南の島々というイメージがあるが、実際には日本から訪れることのできる島々も多い。

2026年7月には、ニューギニア航空が成田―パプアニューギニアのポートモレスビー線の運航を再開した。週2便が運航され、ポートモレスビーからはソロモン諸島のホニアラやフィジーのナンディなどへ乗り継ぐこともできる。パラオのコロールへは成田からの直行便もあり、所要時間は約5時間。日本から太平洋の島々は、思っているほど遠くない。

激戦地となった歴史と日本とのつながり

これらの島々には、日本と深く関わってきた歴史もある。パプアニューギニアでは、旧日本軍がポートモレスビー攻略を目指して進撃し、ココダでは日本軍とオーストラリア軍が激戦を繰り広げた。パラオのコロールは日本統治時代に南洋庁本庁が置かれ、南洋群島の行政の中心地となった。パラオのペリリュー島では1944年に日米両軍が激戦を繰り広げた。ミクロネシア連邦のチューク(旧称トラック諸島)は、太平洋戦争中、日本海軍の艦隊や艦船が集まる中部太平洋の重要な基地だった。現在は、美しい海と沈没船などが残るダイビングスポットとして知られている。ソロモン諸島のホニアラがあるガダルカナル島も、1942~43年に日本軍と米軍を中心とする連合軍が激しく戦った場所だ。

南の島々で、過去と未来をつなぐ旅を

同時に、太平洋島嶼国は戦争の歴史だけで見るべき地域ではない。パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島、フィジー、サモア、トンガ、バヌアツなどの国々は、気候変動や海面上昇、自然災害、海洋環境などの課題を抱えている。太平洋の広大な海域に位置するこれらの国々は、日本にとっても海上交通や海洋資源、安全保障などの面で重要だ。

日本は1997年から「太平洋・島サミット(PALM)」を3年に一度開催し、2024年には第10回サミットを東京で開いた。日本と島嶼国との関係は、観光だけでなく、気候変動や災害対策、海洋環境、経済協力などにも広がっている。

日本から太平洋の島々を訪れることは、単なる南の島への旅行にとどまらない。ポートモレスビー、ホニアラ、コロール、ペリリュー、チュークと、現在の地名をたどると、日本と太平洋の間にあったさまざまな歴史が見えてくる。航空路が日本と島々を結ぶ今、実際にその土地を訪れ、豊かな自然や文化に触れてみる。そこから、日本と太平洋島嶼国がどのようにつながってきたのかを知る旅もできるだろう。

冒頭の写真:パラオのロックアイランド。成田からパラオへは直行便で約5時間。
Photo: Matt Kieffer / Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0