
窓が発電スペースに変わる 無色透明な太陽電池を開発 大阪大など
大阪大学などは4日、人の目には見えない「近赤外光」と呼ばれる光だけで発電する、無色透明な有機太陽電池の開発に成功したと発表した。建物や自動車の窓ガラスに搭載することで、採光性や景観を損なわずに発電できる技術として期待される。この研究成果は国際学術誌に掲載された。
有機太陽電池は軽く、折り曲げることも可能だという利点がある。また、設計次第で特定の光だけを吸収して発電に用いるかを選ぶことができるという特徴を持つ。これまでは、目に見える光(可視光)を吸収して発電していたため、電池自体に色がついていた。そのため窓ガラスなどに使うと光を遮ったり、景観を損ねたりするという課題があった。
大阪大学、東京大学、青山学院大学などの研究グループは今回、電池の元となる素材である有機半導体の分子構造を精密に設計した。これにより、可視光はほとんど吸収せず透過させ、目に見えない赤外線の一種である近赤外光だけを選んで吸収する特性を実現。見た目はほぼ無色透明のまま、光が当たると内部で電気が発生し、効率よく流れることも確認した。近赤外光の領域では、当たった光の20%以上を電気に変換する性能を示した。
この技術により、建物や自動車の窓ガラスに貼り付けても、採光性や見た目を損なわずに発電できる。近赤外光は熱を持つ光でもあるため、室内に入る前に吸収することで遮熱効果も見込め、冷房の電力削減にもつながる可能性がある。さらに、薄くて軽い特徴を生かし、ウェアラブル機器や、脈拍センサーなどへの応用も考えられる。窓などこれまで太陽電池を設置しにくかった場所を発電スペースに変え、クリーンエネルギーの普及を後押しする技術として注目される。

画像提供:大阪大学(本研究で開発した無色透明な有機太陽電池の概要図)

