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火山がつくる島(1)漢拏山とオルムが語る済州島の歴史

済州(チェジュ)島を訪れると、島の中央にひときわ高い山が目に入る。韓国最高峰の漢拏山(ハルラサン)で、標高は1947m。しかし、済州島の火山は漢拏山だけではない。島の各地には「オルム」と呼ばれる小型の火山体が約360個分布している。

済州島は約180万年前から繰り返された火山活動によって形成され、その活動は約4000〜5000年前まで断続的に続いたとされる。2007年には、漢拏山天然保護区域、城山日出峰、拒文(コムン)オルム溶岩洞窟系が「済州の火山島と溶岩洞窟」としてユネスコ世界自然遺産に登録された。

漢拏山を登ると、標高による景観の変化を見ることができる。ふもとの森林から標高が上がるにつれて木々が少なくなり、高山植物が見られるようになる。火山がつくった地形と、標高に応じた植生の違いを一度に観察できる場所だ。

登山道から見た漢拏山の岩屏風
漢拏山の高山植物。秋にはキク科の黄色い花や複数の植物が混生している

オルムの代表例がサングムブリだ。直径約650m、深さ約100m、周囲約2070mの火口が残り、上から見ると大きな円形の窪地に見える。火口の内部には異なる環境に適応した多様な植物が生育し、北側には暖帯の樹木、南側には温帯の樹木が見られる。限られた場所に異なる植生が分布することから、地形だけでなく生態の研究対象にもなっている。

サングムブリ全景

島の南西部には、標高約395mの溶岩ドーム山房山(サンバンサン)がある。溶岩ドームとは、粘り気の強い溶岩が流れ広がらず、火口付近に盛り上がってできた地形だ。山房山は約80万年前に形成され、山体には溶岩が冷えて固まる際の収縮によってできる柱状節理が発達している。

山房山の南西部の斜面

漢拏山、サングムブリ、山房山を巡ると、済州島の火山地形を異なる角度から見ることができる。中央にそびえる大きな火山だけでなく、島の各地に残る小規模な火山体や火口、溶岩ドームにも目を向けると、長い火山活動によって形づくられた済州島の姿が見えてくる。