世界大学評判ランキング 東大は12位 アジアが躍進

英国の高等教育情報誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は4日、6回目となる「世界大学評判ランキング」を発表した。1位はハーバード大学、2位はマサチューセッツ工科大学で、トップ10は米英の大学が占め、東京大学は昨年と同じ12位を維持した。上位100位にランクインした日本の大学は昨年の2校から5校に増え、アジアでは10校から18校に増えた。

同ランキングは、論文引用数などを基準に入れる同誌の世界大学ランキングとは別で、世界の実績ある研究者に対するアンケート調査に基づいて評価するもの。

日本からランクインした大学は、東大(12位)、京都大学(27位)、大阪大学、東北大学(ともに51~60位)、東京工業大学(81~90位)。中国も同様に昨年の2校から5校に増え、清華大学は26位から18位に、北京大学は32位から21位に上がった。他に、昨年ともに51~60位の香港大学とソウル大学校が同率45位に上がった。

英キングス・カレッジ・ロンドンのポール・ブラックモア教授は、アジアの大学の躍進を大学制度の成長とその認知度の高まりの結果と捉えており、香港嶺南大学の莫家豪(カホ・モク)副校長は、国による投資の拡大を大きな要因としている。

アジアの圏の大学を見てみると、東大の順位は2011年から順に8位、8位、9位、11位、12位となってきた。五神真ごのかみ まこと東大総長は「従来は国内の学生を対象にしていたが、近年国際的な視野を広げており、それが世界的な知名度を維持することに寄与している」と述べている。

清華大学の邱勇(チウ・ヨン)総長によると、同大学も国際化を進めており、学部生の40%以上、博士課程の60%は卒業前に海外留学経験を持つ。今年はシュウォースマン・スカラーズ・プログラム(Schwarzman Scholars Program)という奨学金付き修士プログラムを開始し、国内外から優秀な人材を迎え入れようとしている。

ソウル大学の成樂寅(ソン・ナクイン)総長は、入試制度を変えて小論文などを課し、より多様な社会・経済的背景から大学の精神に合う学生を入れるようにしたことや、学際的なコースを新設したことに言及している。

上位10位は以下の通り。
世界大学評判ランキング 東大は12位 アジアが躍進

 
アジアのトップ100ランクイン大学
世界大学評判ランキング 東大は12位 アジアが躍進

 
国別のトップ100ランクイン大学数
世界大学評判ランキング 東大は12位 アジアが躍進

 
調査期間は今年の1~3月で、世界133カ国の研究者から1万323回答を得た。「研究」と「教育」それぞれに対する評価を2対1で配分し、点数を算出している。51位以下は正確な点数と順位は明記されず、10位ずつに区切って発表している。

 
(冒頭写真はイメージ)

参考記事
THE アジア大学ランキング 東大1位から7位に転落(2016/06/22)
QSアジア大学ランキング、東大13位にダウン 国際性がネック(2016/06/19)
2つのアジア大学ランキング、東大は1位? 12位?「国際性」がカギ(2015/06/22)

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