石西礁湖海域のサンゴ白化減少 WWFが所感表明

石西礁湖海域のサンゴ白化現象 WWFが所感表明

西表いりおもて石垣国立公園の石垣島と西表島の間の石西礁湖せきせいしょうこ海域のサンゴの白化現象について、環境省は10日、調査地点における白化した群体の7割で全体が死滅したと発表。これに対して、12日に世界自然保護基金(WWF)ジャパンが所感を表明した。

WWFジャパンは、石垣島白保地区に「WWFサンゴ礁保護研究センター(しらほサンゴ村)」を設置し、長年その調査研究と保護活動に取り組んできた。センター長の鈴木倫太郎氏は環境省の発表に対して「むしろ3割回復している方が驚き」とコメントし、生き残っている3割のサンゴの回復力と、それを守り育てる取り組みに注目したいとした。

サンゴの白化は、高い水温に長くさらされたサンゴが強いストレスにより、色が白くなって衰弱する現象。白化したサンゴは海水温が下がれば回復するが、海水温が高い状態が続き、繰り返し白化すると死滅してしまう。2016年はグレート・バリア・リーフをはじめ、世界各地のサンゴ礁で白化現象が見られた。

石西礁湖海域は、前年の冬が暖かかったために海水温が下がらないまま夏を迎え、7月中旬から白化が目立ちだした。9月に入るまで台風の接近がなく、長期間にわたって高水温の状況が続き、8月には白化した状態から死滅したサンゴも多く見られたという。

今回の環境省の調査は11月から12月にかけて行われ、2016年度では3回目。調査対象となったのは石西礁湖内の35地点。今回の調査では平均白化率(全サンゴで少しでも白化の見られる群体が占める割合)が91.4%だった。9月から10月にかけて行なった2回目の調査結果と比較すると、全体が死亡した群体の割合が56.7%から70.1%に増加した。

画像提供:環境省

 
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