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天空の絶景茶芸館 台湾・九份「阿妹茶樓」

天空の絶景茶芸館 台湾・九份「阿妹茶樓」

台北から日帰りで楽しめる絶景の観光地「九份きゅうふん」は、海沿いの山の急斜面にある小さな町。映画「千と千尋の神隠し」で宮崎駿監督がここを訪れ、「阿妹茶樓(あめおちゃ)」という茶芸館を映画のイメージに取り入れたことで、この小さな町は一躍有名な観光スポットになった。

天空の絶景茶芸館 台湾・九份「阿妹茶樓」

天空の絶景茶芸館 台湾・九份「阿妹茶樓」

狭くて急な石の階段を上って行くと中腹のあたりに現れるのが「阿妹茶樓」だ。2階は食事もできる喫茶スペースで、3階はテラス席になっている。一番外側の席が特等席だ。ここからは山々に囲まれた海が見える。

天空の絶景茶芸館 台湾・九份「阿妹茶樓」

3階の特等席に座り、おすすめのお茶とお菓子のセットを注文する。店員さんが最初の一煎目を説明しながら淹れてくれる。お茶は高山茶。香りがほわんと鼻をくすぐる。お菓子は4種類で、緑豆の落雁、胡麻の飴菓子、小さな餅菓子とドライフルーツ。どれもお茶によくあう。日中はかなり暑かったので、熱いお茶と甘いお菓子でとても癒される。一人前は300台湾元。2煎目からは、席のすぐとなりに置かれた大きな湯差しから自分で淹れる。何杯でもおかわりでき、さらに替えの茶葉まで用意してくれているというサービスぶりだ。目の前に基隆湾が広がるこの店のテラス席は、九份で一番の絶景スポットと言えるだろう。

天空の絶景茶芸館 台湾・九份「阿妹茶樓」

宮崎駿監督がこの店を訪れたときは2階の窓際の席に座り、長時間ずっと外の景色を眺めていたそうだ。気がつくと、さっきまでの暑さが嘘のように心地良い風が吹いている。お茶も香ばしく、思わず杯を重ねてしまう。もっと滞在していたいが、あわただしい旅程の哀しさよ。名残惜しく店を後にしながら、また急な石の階段を注意深く下る。すると筆者の子ども時代の昭和の頃の日本のように、鎖につながれていない犬がいた。ここはそうなんだ、と思った。なんだか懐かしく、ほっとした。瞬間、昔にタイムスリップしたかのような感覚になり、自分が映画の一場面に入り込んだような気がした。

 
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