地球温暖化で今世紀末にアジアの氷河の多くが消失か

地球温暖化で今世紀末にアジアの氷河の多くが消失か

地球全体での気温上昇が1.5℃に抑えられたとしても、アジアの高山地域では2.1℃の温暖化となり、同地域の氷河の氷質量は今世紀末までに57~71%しか残らないだろう――。このような研究結果を14日、オランダのユトレヒト大学フィリップ・クラーエンブリンク氏らが英科学誌『ネイチャー』に発表した。同研究グループは、氷河の消失がアジアの水供給に深刻な影響を及ぼす可能性を指摘している。

ヒマラヤ山脈、カラコルム山脈、崑崙こんろん山脈、天山てんざん山脈などからなるアジアの高山地域にある氷河は、極地を除けば最も多くの水が凍った状態で蓄えられており、数億人もの人々に水を供給している。しかし、人為的な気候変動の結果、他の場所で見られるのと同様の割合で氷河が減り、水質量を失いつつある。2015年に190カ国以上が同意した、2020年以降の地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」では、地球温暖化の水準を産業革命以前よりも1.5℃未満に抑えることを目標に掲げた。しかし、これまで1.5℃の気温上昇がアジアの高山地域にある氷河に何をもたらすかは、はっきりと解明されていなかった。

国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)では、4つの代表的濃度経路(RCP)シナリオが策定されており、気温上昇を1.5℃未満に抑えるという目標はこの中で「最良」のシナリオ。「2100年以降に安定化する」、または「2100年以降も上昇が続く」とされた予測では、今世紀末までに氷河の氷質量の49~64%が消失する可能性があるという。

画像提供:「ネイチャー」

 
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