中国東北部の渤海湾、汚染が深刻化

中国の人民日報の国際版である環球時報によると、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは10日、中国東北部の渤海湾が、工場などから排出される汚染物質で「有毒ごみ捨て場」と化し、漁業資源に深刻な影響が出ていると伝えた。韓国も「渤海の汚染が韓国の西側の海域に及ぶことを懸念している」と報じた。

渤海湾は今、中国北部の各省の「ごみ捨て場」になりつつある。年間28億トンの排水と70万トンの固形廃棄物は、中国全土の沿海水域が受け入れ可能な量の半数近くを占め、中国東部の57本の河川を経て湾内に排出され、漁業資源の急減を引き起こしている。生態系の崩壊に伴って大型魚貝類は死滅、小型魚貝類の年間漁獲量も、最盛期の3万トンから1000~3000トンに激減した。かつては海産物資源の豊富だった海域が、中国で改革開放が実施されてから30年で死の海になってしまった。渤海湾内の各港湾や、天津市や河北省・遼寧省・山東省の工業プロジェクトの増加が、汚染悪化の原因とみられている。

環境汚染防止策は未だ制定されておらず、専門家は、環境保護・交通・海洋・漁業などを管轄する政府機関間の協力不備を指摘している。体系のとれた合理的な汚染排出規制が望まれる。

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