【世界が見える! 米株ウォッチ】高値更新も法人減税先送りに失望感

アメリカ株式市場で見る世界動向通信

11月6~10日のニューヨーク株式市場、ダウ平均株価(30種)は、週の前半は最高値更新を続けながら上昇したが、後半は大幅に下落した。週の前半は、良好な企業決算を背景に米国の景気拡大への期待から上昇したが、週の半ばに法人減税の先送りが報じられると、ダウは100ドル以上下落した。

6日は前週末比9.23ドル(0.04%)上昇の2万3548.42ドルだった。サウジアラビアが、イエメンから発射されたミサイルを撃ち落としたと発表。サウジ政府は汚職容疑で閣僚らを拘束したことも公表し、中東情勢に緊張感が高まった。それによって原油価格が2年ぶりの高値となり、エネルギー関連株が買われた。

7日は小幅に上昇、2万3557.23ドルだった。市場の判断材料が不足する中、連日の高値更新の勢いの中で上昇した。米国の税制改革法案は採決が急がれ、具体性に欠けるとの思惑からダウの押し下げ要因となった。

8日は上昇し2万3563.36ドルとなり、最高値を更新した。トランプ米大統領が選ばれた大統領選挙から1年となったこの日、米経済の先行きへの期待感から小幅に上昇した。材料不足の中、決算シーズンで、好調な米企業業績が意識された。

9日は100ドル以上下落し、2万3461.94ドルだった。期待されていた税制改革法案の法人税減税の実施を2019年に先送りすると報じられ、失望感から売りが広がった。

10日も下落、2万3422.21ドルで取引を終えた。前日に引き続き、法人税減税の先送りに対する失望感から売りが優勢だった。一方、米企業の決算が好調なことから、下落幅は限定的だった。
 

TOPIXの動き(11月6~10日)

11月6~10日の東京市場、TOPIX(東証株価指数)は、10日の終値が1800.44ポイントとなり、前週末比6.36ポイント(0.35%)上昇した。

週の前半は、日本企業の好調な企業業績や米株高を背景に上昇したが、後半は下落した。8日は1817.60で取引を終え、バブル崩壊以降の最高値を更新した。9日は、取引終了時には前日と大きな乖離はなく落ち着きを取り戻していたが、この日1日の中での安値が1791.12、高値が1844.05となり、乱高下した。1844.05は今年1番の高値だった。

(写真はイメージ)