JR、豪華寝台列車に申し込み殺到

2013年10月にJR九州が運航開始した寝台列車「ななつ星in九州」が好評だ。2015年度秋・冬出発分(10月~2月)の予約申し込みでは、設定部屋数210部屋に対して申込数が6854件(国内:6698件、海外:156件)、平均倍率は33で、特に海外からの申込数は22の国と地域からで過去最高となった。また、同期間の中での最高倍率は2015年10月13日出発のDXスイートA(3泊4日コース)で316(過去最高)だった。

「ななつ星in九州」は内装に伝統工芸品を取り入れ、全ての客室がスイートルーム。地元の新鮮食材を使った料理が提供されるほか、列車を降りて地元の店に案内されることもあるという。ツアー参加者は中学生以上限定で、車内の共用スペースではドレスコードもあり、そのサービスは「走るホテル」さながら。

寝台列車ブルートレイン「北斗星」が23日に最終運行を終え、日本のブルートレインが約60年の歴史に幕を下ろしたことは記憶に新しい。従来の寝台列車が運行廃止する一方で、「ななつ星in九州」に続く豪華寝台列車の登場が相次ぐ。JR東日本は「TRAIN SUITE 四季島(トランスイート しきしま)」、JR西日本は「TWILIGHT EXPRESS 瑞風(トワイライトエクスプレス みずかぜ)」が、2017年春頃に運行を開始する予定。

目的地への交通手段としてだけでなく、移動そのものを「旅の目的」に変えるのが豪華寝台列車の魅力だろう。地域活性化の一端を担いつつある鉄道旅行。日本各地で地域に合わせた列車が走る日は近い。

(写真はイメージ)