光の当て方次第で形が変わる結晶を発見

光の当て方次第で形が変わる結晶を発見

大阪市立大学の研究チームは19日、光をあてる方向を変えることで形が変わる微小な結晶を発見したと発表した。この成果はカリフォルニア大学との国際共同研究で、 16日に国際学術誌『ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ』オンライン版に掲載された。

光をあてることで動く材料は「フォトメカニカル材料」と呼ばれ、次世代材料として注目されている。これまでこのような材料には液晶性のポリマーやゲルがあったが、同大の研究チームは、硬さや強度に優れた結晶に着目。研究チームは2007年に、光があたると状態が変化し元の状態にも戻せる性質を持つ“フォトクロミック化合物”から成る「ジアリールエテン」という結晶を『ネイチャー』で報告。この結晶に光をあてると分子の構造が変化して結晶内に歪みができ、結晶が折れ曲がることを示したが、もっと複雑な形に変えられる結晶を探していた。

今回、研究チームは、ジアリールエテンのリボン状の結晶に対して、さまざまな方向から紫外線をあてた。その結果、角度0度では「ねじれ」状、角度をつけて斜めからあてた場合は「螺旋らせん」状、角度90度で真下からあてた場合は「ねじれを伴った折れ曲がり」状に形が変わることが分かった。これにより、ジアリールエテン結晶に光をあてる方向を変えることで、結晶の形を制御することに成功した。

この結晶の大きさは毛髪の10分の1程度という微小なもので、毛細血管の中で動かせる大きさであることから、将来は小型の医療機器や体内ロボットなどに応用できる可能性がある。今後同研究チームは、この研究成果を元に、光による変形の効果が更に高いフォトメカニカル材料の開発を目指すという。

光の当て方次第で形が変わる結晶を発見

画像提供:大阪市立大学
(冒頭の写真はイメージ)