LINEで遠隔医療相談 「小児科オンライン」を過疎の町が導入

LINEで遠隔医療相談 「小児科オンライン」を過疎の町が導入

鹿児島県錦江町きんこうちょうは25日、LINEや電話で小児科医に医療相談ができるサービス「小児科オンライン」の実証実験を6月1日から開始することを発表した。対象は未就学児童を育てる世帯で、財源はふるさと納税寄付金から拠出される。錦江町は小児科医不在という問題を抱えており、今回、同実証実験は埼玉県横瀬町と同時に実施する国内初の取り組みとなる。

「小児科オンライン」は、キッズ・パブリック(Kids Public)社が提供する遠隔医療相談サービス。利用者は前もって予約することで、通常の小児科が閉まる18~22時の時間帯に10分間、スマートフォンアプリのLINEや電話を通じて全国の小児科を専門とする医師に相談できる。同社代表の橋本直也氏の小児科医としての経験をもとに、育児と仕事の両立に悩む「働くお母さん」を対象に考案された。これまで大手企業の福利厚生の一環として導入されるケースが多く、富士通やリクルートでも導入事例があるが、今回のように地方自治体での導入実験例は初。また、同サービスは2017年度の「キッズ・デザイン・アワード(KIDS DESIGN AWARD)」で優秀賞を獲得している。

深刻な過疎化に悩む錦江町では、地方創生事業の戦略として「錦江町MIRAIづくりプロジェクト」を策定。その一環として、ふるさと納税の使い道に関して広く住民に募集をかけ、政策提言コンテストを開いたところ、子育て世代から「安心した子育てのために、小児科を誘致したり、遠隔で診療・相談したりできるサービスを導入してほしい」との提言があり、実現に至った。これは鹿児島県内で唯一の事例となる。

画像提供:キッズ・パブリック