『環境省レッドリスト』、内容見直しへ

環境省は15日、絶滅の恐れのある野生動物をまとめた『環境省レッドリスト』の内容見直しについて発表した。絶滅危惧種だったゼニガタアザラシが「準絶滅危惧種」に変更されたほか、新たに四国地方のカモシカが「絶滅の恐れがある地域個体群(LP)」に選定された。

ゼニガタアザラシはこれまで絶滅危惧種だったが、分布地域の北海道・襟裳岬から根室半島での個体数の増加により、10%以下に再評価され、準絶滅危惧と評価された。

一方、カモシカは、本州、四国、九州に分布して、従来は九州地方のカモシカのみが「絶滅の恐れがある地域個体群」であったが、四国地方のカモシカも生息密度の減少によって選定された。この減少の要因としては、人工林の高齢林化およびニホンジカの増加による食物資源量の減少が考えられている。

環境省版レッドリストは、専門家で構成される検討会が、日本に生息または生育する野生生物について生物学的観点から個々の種の絶滅の危険度を科学的・客観的に評価し、その結果をリストにまとめたもの。レッドリストへの掲載は、捕獲規制などの直接的な法的効果を伴うものではないが、社会への警鐘として広く情報を提供することにより、さまざまな場面で活用が図られることを目的としている。

(写真はイメージ)