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モノを「所有」しないビジネスモデル、サブスクリプションとは?【ニュースのコトバ解説】

モノを「所有」しないビジネスモデル、サブスクリプションとは?【ニュースのコトバ解説】

昨今、「サブスクリプション」と呼ばれるビジネスモデルが広がっています。なぜ広まっているのか?何がメリットなのか?を、最近の事例も交えて解説します。
 

ただの「定額制」サービスではない、サブスクリプション

「サブスクリプション(subscription)」の本来の意味は、「予約購読」や「予約金」で、別の言い方をすれば「定額制」のこと。ビジネスモデルとしてのサブスクリプションは、顧客がサービスや商品の利用期間に応じて、料金を支払う仕組みを指します。企業にとっては、顧客から定期的に収益を得ることで「顧客との継続的な関係を持つ仕組み」であり、関係性を続けられるように、続けて顧客満足度を高めていく必要があります。
 

サブスクリプション化が進む理由

定額制という形は以前からありましたが、ビジネスモデルとしてのサブスクリプション化が進んだ要因としては下記の2点が挙げられます。

  • 消費者はモノを「所有」することよりもサービスを「利用」することを望むようになった
  • 企業は、デジタル化が進んだことで、顧客の利用状況などのデータをもとに、顧客のニーズに合ったサービスへと続けて品質向上を図ることができるようになった

このようにニーズや環境が変化してきたこと、その中で企業・消費者の双方がサブスクリプションを活用することにより、新たなメリットが得られるようになったことが、サブスクリプション化が進んでいる理由と言えます。

消費者側のメリットとしては、大きな初期投資がいらなくなり、リスクやコストを減らしながらよりよいサービスを得られるようになったことが挙げられます。例えばソフトウェアは、これまで新しい機能が加わるごとに購入しなければならなかったのに対し、今は定額で最新機能にアップデートされたものを使用できます。一方、企業側のメリットとしては、継続して安定的に収益を得られるようになり、購入よりハードルが低いため新規顧客を獲得しやすくなったことが挙げられます。
 

具体的にどんなサービスがあるのか?

デジタル系のサービスでは、アップルミュージック(Apple music)、アマゾン・プライム、ネットフリックス(Netflix)、フールー(Hulu)、アドビなどが知られていますが、洋服、コスメ、自動車、住まいなど、非デジタル系のサービスでもサブスクリプション化は進んでいます。洋服ではプロのスタイリストやインフルエンサーが提案する服をレンタルできる「エアークローゼット」、コスメではスキンケアやメイクアップなどがサンプルサイズで届く「BLOOMBOX(ブルームボックス)」などのコスメボックスと呼ばれるサービスがあります。

自動車ではトヨタが新たなサービスを提供しています。2月5日にサブスクリプションサービス運営会社としてKinto(キント)を設立し、任意保険や自動車税などもパッケージ化されたサブスクリプションサービスを2種類用意しています。また、住まいにおいてもサブスクリプションサービスが増えています。Little Japan(リトルジャパン)が提供する「Hostel Life(ホステルライフ)」は、Little Japanが提携するゲストハウスに定額で泊まり放題というシステムです。

モノを「所有」することを減らし、的確にニーズに合ったサービスを受けることをする可能にするサブスクリプション。このビジネスモデルは、私たちの生活を大きく変える可能性を秘めていると言えそうです。

(写真はイメージ)