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IoTで実現する近未来社会【ニュースのコトバ解説】

インターネット・ウェブサービス躍進の30年

特集 平成はこんな時代だった

平成時代を語るのに、インターネットの存在は欠かせない。私たちの日常生活や社会活動に大きな変革をもたらしたインターネットやウェブサービスの変遷について、この30年を振り返ってみたい。

 

インターネット黎明期

1990(平成2)年、インターネット上に分散する様々な情報を統合し、検索してアクセスできるようにしたシステム「WWW(ワールドワイドウェブ)」が、世界で初めてスイスで実装された。この後、インターネット接続としては、日本で初めてダイヤルアップ接続サービスが開始されたのが1994(平成6)年。この接続には電話料金がかかり、現在のような常時接続ではなかったため、初期のホームページは容量の少ないテキスト要素がほとんどだった。1996(平成8)年、日本初のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」がサービスを開始、2000(平成12)年には「Google(グーグル)」が検索サービスを開始した。これ以降、「ググって(Googleで検索して)」ネット上で情報を入手することが徐々に定着していった。

モバイル端末は、1995(平成7)年にPHSが、1999(平成11)年に携帯電話(現在「ガラケー」や「フィーチャーフォン」と呼ばれている端末)が販売開始された。これらが普及したことで、従来のポケベルが市場から姿を消した。NTTドコモが携帯電話向けのインターネット接続サービス「i-mode」を提供開始すると、携帯電話は「電話」以外に、メールやインターネットなど様々な機能を持つようになった。「絵文字」、「写メ(写真つきメール)」、「着メロ(着信メロディー)」などの利用が流行し、多様なコミュニケーションを実現させるツールとなった。

 

ユーザーも発信者に

インターネット上では、双方向でコミュニケーションができる「掲示板(BBS)」が登場、1999(平成11)年には「2ちゃんねる」が開設され、幅広い話題を匿名で自由に投稿できる場として人気を博した。掲示板に投稿された「電車男」のストーリーは話題を呼び、後に書籍や映画にもなった。ネット発の作品が様々なメディアに展開され、メディアとしてのインターネットの影響力が印象付けられた。

携帯電話で執筆し閲覧されるオンライン小説「ケータイ小説」も、2002(平成14)年ごろから若年層の間で流行した。さらに、HTMLなどの知識がなくても日記や写真を投稿できる「ブログ(weblog)」が登場。2004(平成16)年ごろから芸能人ブログが流行し始める。2004年には、mixi(ミクシィ)やGREE(グリー)などのSNS(ソーシャルネットワークサービス)も登場。同じ趣味の人同士で交流できるコミュニティや日記の活用が盛んになった。

そういった中、インターネット接続技術がダイヤルアップ接続から常時接続のADSLへ、さらに光回線へと高速化し、YouTube(ユーチューブ:2005年サービス開始)やニコニコ動画(2006年サービス開始)などの動画配信サービスも普及していった。これによって個人でも手軽に動画コンテンツを公開できるようになり、最近では、人気クリエイターの「ユーチューバー」や、バーチャルユーチューバー(VTuber)がその地位を確立している。

 

いつでもどこでもつながる時代

iPhone(アイフォーン)が2008(平成20)年に、Android(アンドロイド)が2009年に発売されると、携帯電話はスマートフォン(スマホ)に取って代わられていった。いつでもどこでもインターネットに接続して様々なサービスを利用できるようになり、「ユビキタス社会」とも呼ばれるようになった。

ブログよりも気軽に投稿できるTwitter(ツイッター)や、ビジネス仕様のFacebook(フェイスブック)が登場したのもこの頃だ。Twitterの「なう」は2010(平成22)年の流行語にもなり、「タイムライン」や「ハッシュタグ」といったSNS用語も一般化した。

2015(平成27)年3月11日に発生した東日本大震災をきっかけに、インターネット回線を使った音声通話ができるLINE(ライン)が開発された。豊富な種類のスタンプなどが人気を呼び、ユーザー数は現在7600万人以上にのぼっている。2010(平成22)年にリリースされた写真共有アプリのInstagram(インスタグラム)は、若年層を中心にユーザーを増やした。「インスタ映え」は2017(平成29)年の流行語に選ばれ、飲食業界や観光業界を中心に、企業マーケティングにも影響を及ぼすようになった。

 

インターネットの生んだ影

インターネットが便利に発展する一方で、様々な弊害も起こっている。2012(平成24)年、EUはプライバシー侵害の問題に対し、「忘れられる権利」を提唱した。これは、インターネット上に掲載された自身の個人情報を削除できる権利で、データ元の個人から請求があった場合、個人データ管理者に当該データの削除が義務づけられることになった。表現の自由とのバランスや、社会的強者による情報秘匿への流用などが、現在も課題になっている。

また、情報漏えいやコンピューターウイルスなどの問題が深刻化し、2014(平成26)年にはサイバーセキュリティ基本法が成立した。事実とは異なる虚偽の情報(フェイクニュース)が、インターネット上で拡散されることも問題視されている。

5G(第5世代移動通信システム)の実用化や、あらゆるものがインターネットに接続されるIoT社会の実現が近い未来に迫っている。私たちの生活は、これからどのように変わっていくのだろうか。利便性の向上とリスクへの対応が、バランスよく進むことを願いたい。

(写真はイメージ)
 

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