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男女の賃金格差を可視化 イコール・ペイ・デイにベルリンで女性21%割引

男女の賃金格差を可視化 イコール・ペイ・デイにベルリンで女性21%割引

ドイツの女性は男性よりも平均賃金が21%少ない――。男女の所得格差を可視化する「イコール・ペイ・デイ」に当たる3月18日、ベルリン市交通局はこの日、1日限定で女性の乗車料金(1日券)を21%割引にするキャンペーンを実施した。

イコール・ペイ・デイは、男性が昨年1年間に得た賃金と同等の額を女性が得るために、何日間余計に働かなければならないかを積算したもので、ドイツではこれが今年は3月18日だった。つまり、77日間多く働かなければいけないということになる。日本では2018年のイコール・ペイ・デイは4月6日だった。

ドイツにおける男女の賃金格差の理由としては、女性の多くが美容師や介護福祉士など低賃金労働に従事していることや、また男性に比べてパートタイム労働従事者が多いことも挙げられている。フランツィスカ・ギフェイ連邦女性相はこの現状に対し、賃金においても男女平等を実現する法整備の必要性を強調。女性管理職の増加を促すことや、従事者の80%が女性とされる社会福祉部門の業種において、賃金改善をはかることなどを挙げている。

一方、アイスランドではすでに、男女の賃金格差を禁止する法律が2017年に施行されており、同じ会社で同格のポジションにいる場合、男女に給与格差が生じてはならないと定めている。ドイツはこの問題において欧州内で立ち遅れており、2006年以来、男女の賃金格差はわずか2%しか改善されていないという。

協力:河内秀子

冒頭の写真は、ベルリン市交通局が発行した、イコール・ペイ・デイ限定の「女性用チケット(Frauenticket)」。通常7ユーロ(約885.36円)の1日乗車券が5.5ユーロ(約695.64円)に。
*1ユーロ=126.48円で換算(3月19日現在)