「飲酒者ほど危険な飲み方」AI薬の併用状況調査

 米国立衛生研究所の研究者らが、アルコールとAI薬(Alcohol-Interacitve)の併用状況を調査し、「飲酒習慣者、特に高齢者は相当な割合で、AI薬とアルコールの相互作用の危険にさらされている」という結果を公表した。AI薬はアルコールと相互作用のある薬で、作用が予想外に強くなる、作用が弱くなり、作用が逆転する、作用が予測できなくなるといったことが起きる。
 例えば、高血圧や狭心症の治療に使われる薬の一部には、血管を拡張して血圧を下げるものがある。アルコールも血管拡張作用があるので、併用すると、作用が増強して、予想外に血圧が低下して、立ちくらみを起こして転倒する危険が増す。また、一部の抗生物質は、アルコールの代謝を止めてしまうので、少量の飲酒でも、ひどい二日酔いになる。
 同研究では、米国保険栄養調査に参加した約2万7000人(男女ほぼ同数)のデータを解析した。その結果、飲酒習慣は男76.7%、女65.7%であった。AI薬の併用率は、全体の42.8%、飲酒者41.5%(週5日以上飲酒する人に限ると38.2%)、非飲酒者46.5%だった。年齢別でみると、65歳以上の飲酒者が、77.8%と一番処方率が高かった。種類では、血圧降下薬(15.1%)など循環器薬が23.8%で最多であった。続いて、中枢神経作用薬(14.6%)、代謝疾患治療薬(14.2%)が続いた。