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【ノーベル賞2019】ノーベル経済学賞に開発経済学の3氏受賞

【ノーベル賞2019】文学賞はポーランドとオーストリアの作家2氏に

スウェーデン・アカデミーは10日、2018年と2019年のノーベル文学賞受賞者を同時に発表した。昨年未発表だった2018年の文学賞はポーランド人作家のオルガ・トカルチュク氏(57)に、2019年の文学賞はオーストリア出身のペーター・ハントケ氏(76)に授与されることが明らかになった。

2018年のノーベル文学賞は、同賞の選考を担っているスウェーデン・アカデミー関係者のスキャンダルにより、信頼性を回復するために発表見送りとなっていた。今回、受賞が発表された両氏には、それぞれに賞金900万スウェーデン・クローナ(約1億円)が贈られる。

同アカデミーは今回の授賞理由として、トカルチュク氏に対し「豊富な知識に裏打ちされた情熱による、生の形の境界性を超えた物語の想像力」を挙げ、ハントケ氏に対しては「人間の経験の周縁と特異性を、言語的な想像性でもって描き出した影響力のある作品」と評価した。

トカルチュク氏は2018年に、『逃亡派』(日本では白水社が邦訳を出版)でブッカー国際賞を受賞。近年、国際的に大きな注目を集めていた。邦訳ではこのほか『昼の家、夜の家』が同じく白水社から出ている。

ハントケ氏は、長短編の小説、詩、戯曲などで実験的な手法で現代を描き、現代ドイツ語圏文学の重要作家の1人とされている。邦訳では、同学社から『反復』『左利きの女』などが1980年代および90年代に出版されており、1999年にはNATOの旧ユーゴスラビア空爆に抗議して実際現地に赴き、その様子を綴った『空爆下のユーゴスラビアで』なども日本語に翻訳されている。

*1スウェーデン・クローナ=約11円で換算(10月10日現在)

(写真はイメージ)