新型コロナウイルス迅速検出法を開発 神奈川県と理研

新型コロナウイルス迅速検出法を開発 神奈川県と理研

神奈川県衛生研究所と理化学研究所は2月27日、新型コロナウイルスの迅速検出法を開発したと発表した。

神奈川県衛生研究所は新型コロナウイルスの3株をダイヤモンド・プリンセス号の乗船者の検体より分離することに成功。それを用いて同研究所と理研が共同で、ウイルスを迅速かつ高感度に検出する研究用試薬を開発、実際の検体で性能を確認した。現在主流のPCR法では1~2時間かかる解析が、新しい試薬では10~30分程度になるという。

新たな検出試薬により、理研が開発していたSmartAmp(スマートアンプ)法を用いることができるようになった。これは遺伝子を特異的に増幅して検出する簡便・迅速・安価な遺伝子検出技術である。既存のリアルタイムPCR装置をそのまま利用できる上に、PCR法で必要な温度の上下操作がいらないため、増幅時間の短縮とエネルギー消費量の削減が可能となる。

神奈川県と理研は2016年度から、外来感染症の防疫についての技術開発研究を進めていた。これまでSmartAmp法によってデングウイルス、ジカウイルスなどを検出する方法に取り組んだ。

神奈川県では、今回開発した新型コロナウイルスの迅速検出法のさらなる改良を行っていくとともに、SmartAmp法を利用した検出試薬に関する実証研究を関係機関と連携して行うとしている。

(写真はイメージ)