ディープフェイクとは? AIで作成された偽動画に警鐘

ディープフェイクとは? 世界各国で偽動画による被害

先日、ディープフェイクを使って作成された女性芸能人のアダルト動画を掲載するまとめサイト運営者が、全国で初めて逮捕された。昨今社会問題化している「ディープフェイク」について、解説する。

ディープフェイク(deepfake)とは機械学習アルゴリズムの一つであるディープラーニング(深層学習)を使用し、2つの画像や動画の一部を結合させ異なる動画を作成する技術のこと。その技術により偽(フェイク)動画が作られるため、「ディープフェイク」と呼ばれている。顔を数万点ものパーツに分解し、表情一つひとつをAI(人工知能)がディープラーニングすることで作るため、単に顔をすげ替えるだけではなく、顔の表情を自然に動かすことができる。トランプ大統領のフェイク動画が作られたことで大きく話題となり、最近では菅田将暉主演のドラマ「3年A組」や、水谷豊主演の「相棒18」でも取り上げられた。ディープフェイクはソフトやアプリで比較的容易に作成できることや、制作者が偽物だと明記しても拡散した際に本物と誤解させてしまうこともあり危険視されている。実際に企業のCEOに似せた音声と電話によるディープフェイク攻撃によって、お金をだまし取られるといった事件も起きている。

こうしたなか、フェイスブックやグーグルが対策を打ち出している。フェイスブックではマイクロソフトや米マサチューセッツ工科大学などと連携して、ディープフェイクを検出するためのツール開発を目指すプロジェクトを始め、グーグルは検出技術の開発研究の促進のためディープフェイクの大規模データベースを無償公開している。ディープフェイクに対して対策が急がれると同時に、情報を受け取る側も偽物に対するリテラシーが求められる。

(写真はイメージ)