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熊本地震から6年を経た「震災遺構」旧東海大学 阿蘇キャンパス

28時間以内に震度7の地震に2度襲われた2016年の熊本地震から4月16日で6年が経過した。地震の経験を風化させず後世に伝えるべく、「震災遺構」として保存されている旧東海大学 阿蘇キャンパスを訪ねた。

まず初めに向かったのは九州東海大学の正面玄関前。地面には地震によって多数の亀裂や段差、隆起が生じ、それがそのままの状態で残っていた。当時、この場所に停めてあったスクールバスは、タイヤが地面に深く埋まってしまい、自走できなくなったという(冒頭の写真:正面玄関の様子)。

大学の中央に位置し、事務室や教室が入っていた1号館。よく見ると、外壁にいくつもの亀裂が入り、1階と2階を繋いでいた階段は損傷して全て無くなっている。

1号館の中央部分の様子


1号館の1階にあった事務室の窓は、ガラスがほとんど割れしまい、窓枠も大きく歪んでいる。外壁も一部剥がれ落ちていた。

1号館の外壁と窓


事務室の内部は机や椅子が散乱し、大きくて重たそうな重厚な金庫が部屋の内側の方まで移動しており、床全体は大きくひび割れている。壁に貼られたカレンダーは地震当時の2016年4月のままだった。

1号館の事務室内部の様子を外から撮影


熊本地震により出現し、大学のほぼ中央部を通過した地表地震断層。当時、地表のずれは40~50cmに達し、亀裂と亀裂の間では、まるで絨毯がめくれ上がったかのように、地面に大きな盛り上がりが生じた。

大学内にある断層。大きく地表がずれたことが一目で分かる。


熊本県では現在、同キャンパスなどの震災遺構の保存とともに、地震をテーマとした体験・体感型の展示・学習施設をくまもとアートポリスプロジェクトとして整備している。新たな施設は、2023年度にオープン予定だ。

https://kumamotojishin-museum.com/

*記事内の写真は全て4月2日撮影