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社会人の1カ月語学留学@フィジー【前編】渡航先選びのポイント

リスキリングの機運が高まる近年、もっともポピュラーな学びである語学学習においては、転職活動期間などを利用して短期留学をする社会人も増えている。留学経験者の中で社会人になってから留学した人は4割に上るという調査結果もある。

筆者はこの7月、英語学習のため1カ月間の語学留学に挑戦した。短期の語学留学といえばフィリピンが人気の渡航先だが、筆者は太平洋に浮かぶ島国、フィジーを選んだ。今回は社会人留学を考えている人向けに、フィジーでの短期留学(ホームステイ)で学んだことを紹介する。

渡航先選びのポイント

留学先にあえてフィジーを選んだ一番の理由は、価格の安さだ。当初はできるだけ費用を抑えるため、日本に近く、かつ母語が英語の国であるオーストラリアやニュージーランドを中心に検討していたが、色々と調べる中で、より価格を抑えられそうなフィジーを見つけた。フィジーはイギリスの植民地だったこともあり公用語が英語で、第二外国語としてほとんどの人が英語を習得しているため、発音が比較的分かりやすいとの情報も選ぶ際のポイントとなった。実際に現地に行ってみると特有のアクセントの癖はあったが、慣れれば理解できた。

また、インターネット上には治安が比較的よいという情報もあったのも決め手の一つだった。ただ実際に行ってみると、COVID-19によるパンデミック後から治安は悪化しており、日本人留学生を狙ったひったくりが相次いでいたので外出時には注意が必要だった。

涼しく過ごしやすい乾季

筆者が滞在していた7月は乾季だったため、からっとしていて過ごしやすかった。フィジーの年間平均気温は25度だが、滞在期間の気温は27度前後で、日中は半袖シャツで過ごせた。日本では35度を超える天気だったので、避暑に来たような気分で快適だった。ただ、朝夕にはたまに涼しい風が吹くのでダウンやパーカーを着ている人もいて、現地の人にとっては1年の中でも寒いと感じる時期だったようだ。

フィジー系とインド系で分かれる食事事情

今回の留学ではホームステイをしたが、食事はフィジー系フィジー人とインド系フィジー人の家庭によって異なる。前者はイモが主食で魚などを食べるが、後者は毎日毎食カレーということがほとんど。留学生の中には、カレー自体は美味しいが、毎食だとさすがに飽きるという声も多かった。

外食は中華系レストランやハンバーガーチェーン店など、日本でよく見かけるファーストフード店もある。日本食レストランはほとんど見当たらず、あったとしても味は良いが価格は高めのようだった。フィジーにはさまざまな宗教が混在しており、宗教的理由から豚肉を食べられない人もいることから、外食料理で出てくる肉はほとんどが鶏肉だった。

気になる留学費用と現地の物価

留学にあたってかかった費用は1カ月間で40万円弱だった。これには、ホームステイ代、学生ビザ申請料、語学学校授業料、往復航空券、そのほか現地での小遣い、海外保険料などすべて含まれている。インターネットで調べると、オーストラリアの4分の3程度の費用だった。

フィジーの通貨はフィジードル(FJD)で、1 FJD=約60円台後半だった(2023年7月当時)ため、現地では約70円として換算していた。タクシーは初乗り2 FJD(約140円)、水1.5Lで約2 FJD、スナック菓子は種類によるが約1~10 FJD(約70〜700円)。ビーチに観光に行くと、昼食・ドリンク・船代などで1日約80~100 FJD(約5600〜7000円)、ホテルはビジネスホテル以上で300 FJD(約2万1000円)から。東南アジアと比べて安くはないが、欧米と比べると高くはないという印象だった。

実際に留学に行ってみて、治安は思ったより悪かったが、物価はそれほど高いわけでもなく、住みやすい環境だと感じた。食事は個人によって口に合う・合わないは当然あり(筆者は問題なかった)、滞在中に日本食が恋しくなっても、日本のなじみの味にたどり着くのは難しい。しかし、普段と異なる生活環境を体験することも、わざわざ異国の地で語学を勉強する楽しみの一つと考えれば、いろいろなことに挑戦できるかもしれない。

次の記事は、語学学校の様子や社会人留学のポイントを紹介する。

町にはヤシの木やバナナ、マンゴー、パパイヤ、スターフルーツの木など、南国の木があちこちに生えている。