N/S高とベネッセ、学力・学習習慣に関するオンライン評価ツールを共同開発

N高等学校(以下、N高)・S高等学校(以下、S高)とベネッセコーポレーションは、同校で希望する生徒約6500名に対してオンラインでアセスメント(評価)を実施し、そのデータを活用した進路指導を行ったことを28日に発表した。両者は2020年度から、学力・学習習慣に関するオンライン型アセスメントを共同開発してきた。

N高・S高は、インターネットと通信制高校の制度を活用した“ネットの高校”で、両校合わせて25000名超(20236月時点)の生徒が在籍する。授業やレポート提出をネットで行うことで自分のペースで学べる高校卒業資格のための必修授業のほか、バーチャル技術を活用した体験型の学びも実施している。

ベネッセが提供する基礎学力と学習習慣や進路志向性を測定する「スタディーサポート」は、年間のべ約180万人が受験する全国最大規模のアセスメントだが、従来、生徒が学校に登校して一斉に紙で行っていた。

そこで両者は2020年度から、生徒が全国各地の自宅で学ぶというN/S高の特徴に合わせて、自宅端末から受験可能なオンライン型のアセスメントを共同開発した。

スマホのみ保有する生徒へ対応したスマホ受験対応や、時間を分けて受験できる中断ボタンの設置など、提供内容の検証や改善を行ってきた。生徒が取り組んだ問題の解答やアンケートの回答結果はデータ化され、教職員が学習・指導において活用できるという。

今回の取り組みを通して、従来は登校しないと受けられなかったアセスメントが、場所や時間を問わずに受験できるようになった。これによりN/S高では、より正確に基礎学力や進路志向性を把握することで、そのデータを元に生徒の進路支援を充実させていくことが可能になるとしている。また、12年次にアセスメントを受けた生徒は、3年次に志望進路が決まっている率が高いという成果も出ているという。

両者は今回の共同研究を通じて、アセスメントの受験環境にとどまらず、受験後の結果閲覧や解答解説の利用、復習の充実など、生徒の学力向上につながる仕掛けを充実させていく狙いだ。

(写真はイメージ)