村上製作所、「送水口博物館」をオープン

村上製作所(東京都港区)は21日、「送水口博物館」を新橋に開館した。同社は消火栓や連結送水管部品を扱う会社で、創業80周年記念事業として開設された。

ビルなどの大型の建物には、消防活動のための連結送水管という設備が設置されている。送水口はその受け口であり、そこからポンプ車が注水した消火用水が配管を経て、建物内の放水口やスプリンクラーに届く仕組みである。送水口はビルの外壁面や消火栓のそばに設けられていることが多い。

昭和中期までの送水口は鋳物製で、当時の重厚なビルの壁面を重々しく飾っていた。2011年の東日本大震災を機に、多くの送水口が老朽化と耐震強度不足で解体処分されていく中、同社では歴史的価値が特に高いとされるオールド送水口の回収を行ってきた。同社は「これらの貴重な資料を、近代消防史の歴史の一環として展示することにした」という。

当面は社業と兼務して運営されるので、木曜日と土曜日を中心とした不定期開館になる模様。開館日・開館時間は、同館のウェブサイトで告知されている。

村上製作所、「送水口博物館」をオープン