みちびき7号打ち上げ成功 目標の7機体制まであと1機

8月11日、H3ロケット9号機が鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、準天頂衛星「みちびき7号機」を予定の軌道に投入することに成功した。分かりにくいのが、衛星の番号と打ち上げ順だ。6号機は2025年2月に打ち上げられ、同年7月から運用を開始。一方、5号機は2025年12月のH3ロケット8号機の打ち上げ失敗で喪失した。このため、7機体制を計画していた「みちびき」は現在5機で運用され、今回の7号機の打ち上げによって6機体制となる。

「みちびき」は、衛星からの電波を利用して地上の位置を測る、日本の衛星測位システムだ。米国のGPSとは別のシステムだが、GPSと互換性のある信号を使うため、一緒に利用できる。準天頂衛星と呼ばれるのは、衛星が日本の上空を長時間通る軌道に配置されているためだ。地上から見ると空の高い位置に長く見えるため、建物や山などに電波を遮られにくい。さらに、位置情報の誤差を小さくする補強信号も提供し、条件が整えば数cm程度の高精度な測位も可能になる。

自国判断で運用できる測位基盤を持つために

今後、「みちびき」が7機体制を構築すると、日本上空に常に4機以上が滞在する状態をつくることができる。これにより、他国の測位衛星が利用できない場合でも、「みちびき」だけで測位する「持続測位」が可能になる。これはGPSを使わなくなるという意味ではない。普段はGPSなどと組み合わせ、必要な場合には「みちびき」だけでも測位できるようにするのだ。7機は持続測位に必要な機数で、政府は将来的に11機体制として、衛星の故障時にもサービスを維持する計画だ。

衛星測位は、スマートフォンの地図やカーナビだけでなく、自動運転、ドローン、農業機械の自動走行、測量などにも利用されている。米国のGPS、ロシアのGLONASS、欧州のGalileo、中国の北斗、インドのNavICなど、各国・地域が独自の衛星測位システムを整備しているのは、位置情報という重要な基盤を他国のシステムだけに依存せず、自国で安定して確保するためだ。GPSは優れたシステムだが、運用主体は米国である。日本も「みちびき」を整備し、自らの判断で運用できる測位基盤を持つことで、位置や時刻に関わる重要な社会インフラを自国で支えられる体制を目指している。今回の7号機打ち上げは、その一歩なのである。 

冒頭の写真:みちびき7号機を搭載して打ち上げられるH3ロケット9号機=2026年8月11日、種子島宇宙センター(JAXA提供)