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鹿児島県長島町が地元帰郷学生へ全額負担「ぶり奨学金制度」開始

鹿児島県長島町と鹿児島相互信用金庫は11月27日、地元出身の生徒や学生に対し、卒業後に同町に戻ってきた場合に全額を負担する奨学ローン「ぶり奨学金制度」を創設した。自治体と金融機関が連携して奨学金制度を推進するのは全国初。2016年3月より開始する。

長島町の人口は1万1112人(2010年度国勢調査)。さらに町内に高校がなく、高校に進学する生徒は町外に転出してしまうため、多くの高校生が卒業後に町外で就職し、過疎化が進んでいる。この若手人口の流出が続く状況により、日本創生会議にて「消滅可能性自治体」の一つと掲げられた。そこで同町では生徒や学生が卒業して同町に戻ってきた場合に元利金相当額を補填する「ぶり奨学金制度」を創設し、人口流出減と出生数増を図ることとした。

推進する井上貴至副町長(30歳)は、地方創生人材支援制度により総務省から派遣された史上最年少副町長。そして同奨学金制度は、鹿児島相互信用金庫と慶應義塾大学SFC研究所社会イノベーションラボと連携し、産官学の協働で研究を進めてきた。

「ぶり奨学金制度」の名称は、同町が世界27カ国に輸出する世界最大のぶり産地であり、さらに回遊魚のぶりのように地元で育った人材が故郷に戻ってくることを支援するために付けられた。

貸付金額は50~500万円、金利は1.50%(変動金利)、奨学金ローンを借りて卒業した後、同町に戻ってきた場合はすべて同町が補填する。また同町に戻ってこない場合でも、卒業時に利息相当分は同町が補填する。

(写真はイメージ)