アホウドリの繁殖を小笠原諸島で確認 戦後初

 3月、特別天然記念物のアホウドリの小笠原諸島媒島(なこうどじま)での繁殖が確認された。媒島でアホウドリのつがいの飛来が確認され、そのつがいが2014年5月に発見されたヒナの親であることがDNA分析によって確認された。26日に環境省、東京都が発表した。
 アホウドリは翼の差し渡しが210~230cm、体重は4~5kgあって、日本では最大級の海鳥。150年ほど前には北大西洋の島々に数十万羽いたと考えられているが、現在では伊豆諸島の鳥島と尖閣諸島の南小島・北小島にしか生息しておらず、その個体数は2000羽程度とされる。アホウドリが絶滅危惧種になるまで減少した原因は、19世紀後半から20世紀前半に羽毛の採取のために乱獲されたことである。
 小笠原諸島では1930年に絶滅したが、2008年から聟島(むこじま)において鳥島で生まれた個体を移送して新しい繁殖地を形成する事業が行なわれた。今回媒島で確認されたつがいの成鳥はいずれも鳥島生まれのもの。アホウドリの小笠原諸島での繁殖は戦後初めて。