南極のクマムシ、30年半の凍結保存から蘇生・繁殖

国立極地研究所の研究グループは、1983年11月に南極昭和基地周辺で採取したコケの試料から30年6カ月保存されていた、クマムシの蘇生直後の回復と繁殖の様子を記録した。クマムシは、蘇生可能かつ無代謝状態である「クリプトビオシス」能力を持ち、これまでの乾眠状態での最長生存記録は9年だったが同研究で大幅に記録を更新した。

研究の試料としてマイナス20度で保存されていた2個体のクマムシとクマムシの卵1つを用い、解凍して給水し、個体別に培養した。1個体は回復せずに死んだが、他方の個体とふ化した卵は回復だけでなく繁殖もした。

クリプトビオシス能力を持つ動物では、39年の乾燥状態から蘇生した線虫の例が1946年に報告されているが、30年以上の保存から、蘇生だけでなく蘇生直後の回復状態や、その後の繁殖までの詳細な報告は今回が初めてだという。

同研究結果は12月25日、科学雑誌『クリオバイオロジー(Cryobiology)』で発表された。長期保存後のDNA損傷の状況や修復機構の調査によって、クリプトビオシス動物の長期生存メカニズム解明の貢献が期待される。

[冒頭の写真]
蘇生した南極クマムシの系統の個体。腹部の緑色は餌のクロレラ。右の線は0.1ミリメートル。


24時間給水後の29日目。通常と思われる状態に回復している。

画像提供:国立極地研究所

 
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