生活困窮世帯への子ども学習支援 人材確保が課題

生活保護に至る前の段階にいる「生活困窮者」の自立を促進するため、2015年4月に「生活困窮者自立支援法」が施行され、各自治体には各種支援事業への取り組みが求められている。特に子どもの貧困対策の柱となるのが「学習支援事業」だが、実際には人材や財源などの課題が多く、今年度実施できた自治体は約3割にとどまった。そんな中でも、創意工夫をして学習支援を進めている自治体の事例もあり、事業実施を予定できていない自治体には課題解決のヒントとなりそうだ。

NPO法人さいたまユースサポートネットが「生活困窮者自立支援法に基づく学習支援事業に関する調査」を行なった結果、既に事業を実施している自治体は調査時点で約3割に留まるものの、来年度は学習支援を行う自体対数が半数以上になることが分かった。

同調査は全国の自治体と学習支援事業受託団体577団体を対象に、2015年9~10月に行われた。事業の実施状況で最も多かった回答は「実施予定なし(45.3%)」、次いで「既に実施している(32.2%)」、「来年度実施予定(20.3%)」であり、来年度には事業を行う自治体が半数以上になるものの、全国一律には実施されていないのが現状だ。

事業をしていない理由については、「人員や団体が確保できない(64.5%)」、「財源が確保できない(45.5%)」という回答が多く、子どもの教育に関わる人材、団体の育成が課題であることが明らかになった。

そんな中、さまざまな創意工夫により子どもたちへの学習支援を進めている自治体も多い。

三菱総合研究所が2015年3月にとりまとめた、全国の学習支援事業の実践事例によると、千葉県八千代市では人材確保のために近隣の大学と協力し、インターンシップとして学生を受け入れたり、支援事業での活動が授業の単位となる大学と連携したりしている。

この他にも、支援対象の子どもが参加しやすくするため、自宅と施設間の送迎やアットホームな雰囲気づくり、子どもの問題行動を受け入れられるようスタッフを養成するなどさまざまに工夫をしている自治体もある。

そして支援事業の成果を財政当局にアピールすることで予算の確保に繋げているようだ。

「生活困窮世帯の子どもの学習支援事業」 実践事例集(三菱総合研究所)

 
(写真はイメージ)

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