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イトカワ微粒子表面に、イトカワの歴史刻む40億年以上前の模様

サンプルリターンを果たした小惑星探査機「はやぶさ」の人気で世間にその名が知られるようになった小惑星イトカワ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日、「はやぶさ」が持ち帰ったイトカワの微粒子の表面から、イトカワの母天体時代である40億年以上前に形成されたものを含む4種類の模様を発見したと発表。この模様の分析によって、イトカワの形成過程を読み解くことができたという。

分析したイトカワの微粒子の大きさは、わずか数十マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。松本徹宇宙航空プロジェクト研究員が率いる研究チームは、この微粒子の表面に刻まれている、ナノメートル(ナノは10億分の1)スケールの模様を詳細に観察した。観察には、貴重な微粒子にダメージを与えないためX線回折装置や走査型電子顕微鏡を使用した。その結果、表面の模様は少なくとも4種類あった。そのうちの一つに、イトカワの「母天体」時代である40億年以上前に形成されたと考えられる模様も残っていたという。イトカワは、現在の約40倍以上となる20km以上の大きさを持つイトカワ母天体が破壊された破片が集まってできたものと考えられている。

発見された4種類の表面模様は、形成時期から順に「イトカワ母天体の内部」、「小惑星となったイトカワが天体衝突で破砕した際の粒子の破断」、「イトカワ表面の微粒子の流動時に粒子同士がこすれ合ってできた粒子表面の摩耗」、「イトカワ表面の微粒子が長時間太陽風を受けて宇宙風化したことにより結晶が壊れた構造」と考えられている。

これらを元にイトカワの歴史を辿っていくと、イトカワ母天体は40億年以上前、中心部では約800度、表面近傍は約600度で熱変成する環境にあった。この母天体が大規模衝突により破壊。その破片が集積して13億年前に小惑星イトカワが形成された。形成後も天体衝突を受けた後、100万年以上かけて太陽風の照射などの宇宙風化によって表面の剥がれや、粒子の流動や摩耗が起こったと考えられている。リターンサンプルの表面模様の観察からイトカワの歴史を辿ることができることを初めて示した。

これらの研究成果は、8月15日付で、地球惑星科学分野の学術誌『Geochimica et Cosmochimica Acta』に論文が掲載される。

イトカワ微粒子表面に、イトカワの歴史刻む40億年以上前の模様

画像提供:JAXA

 
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