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マザー・テレサが「聖人」に認定 「よくある5つの誤解」を紹介 ドイツ

インドのコルコタ(カルカッタ)で、生涯を貧しい人たちの救済活動に捧げた故マザー・テレサが、ローマ・カトリック教会で最高位の敬意の対象とされる「聖人」に認定され、4日にバチカンのサンピエトロ広場でフランシスコ・ローマ法王により、列聖式が執り行われた。

ところで、「聖人」とはいったい何だろうか? どうしたら聖人になれるのか? これについて、欧州人も実はよく分かっていないのが現状だ。カトリックとプロテスタントが人口の半々を占めるドイツでは、ベルリナー・モルゲンポスト紙が「聖人に関するよくある5つの誤解」と題した記事を掲載した。

1)カトリックは聖人を崇拝しているのか?

カトリック教徒にとって聖人は、信徒の模範となる生き方をした人たちであり、信仰を力づけてくれる存在とされているが、崇拝対象ではない。しかしプロテスタント教徒からは、カトリック教徒が聖人崇拝と神への崇拝を混同しているとの批判もある。

2)「東方の三博士」は聖人なのか?


イエス・キリストの誕生を祝いに生誕の地ベツレヘムを訪れたと新約聖書に記述されている「東方の三博士」(ドイツ語では聖なる三賢王(Die Heilige drei Könige))は聖人認定されていない。この3人が聖人認定の対象となるには、彼らの生きた時代が約2000年以上前と古すぎるためだ。また、彼らが本当にベツレヘムを訪れたのか、本当は3人ではなく4人か5人ではなかったのか? などの論議が、今日もまだ神学者の間で続いている。

3)ローマ法王はもれなく全員が聖人に認定されるのか?

この誤解を生む理由としては、法王を「聖なる父」とする呼称があるため。しかし実際は、歴代ローマ法王で聖人認定されているのは266人中81人で、3分の1に及ばない。最近では2014年にヨハネ23世とヨハネ・パウロ2世が聖人認定されている。

4)聖人になるためには生前に奇跡を起こさなければいけないのか?

聖人に認定されるための条件は殉教者であるか、そうでなければ実証可能な奇跡を生前に2つ以上起こしていること。前者の場合は奇跡を起こしたかどうかは問われない。

5)聖人認定は、個人に対してのみ行われるのか?

フランシスコ・ローマ法王は2013年、800人の殉教者を同時に聖人認定している。これは1480年、オスマントルコ帝国の侵略により、イスラム教への改宗を拒んで処刑された南イタリアの「オトラントの殉教者」たちだ。これ以外にも、模範的なキリスト教徒として生きたフランス人のマルタン夫妻がともに聖人認定された例がある。(訳者追記:日本ではキリシタン禁教令の下、1597年に長崎で磔(はりつけ)の刑に処された26人のカトリック信者が、のちに聖人に認定されている。)

(写真はイメージ)

 
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