ノドグロ完全養殖達成、養殖に適した稚魚の生産へ 近畿大

近畿大学は5日、高級魚のノドグロの完全養殖を世界で初めて達成したと発表した。人工ふ化で生まれたノドグロを成魚まで育て、その親魚から再び仔魚を得ることに成功した。

ノドグロの正式名称はアカムツだが、口の中が黒いためノドグロと呼ばれる。白身の肉質は脂質が多く、「白身のトロ」と称されるほど脂がのっている。主な産地は日本海側で、旬は秋から冬にかけて。

近畿大学水産研究所の富山実験場(富山県射水市)では、2015年にノドグロの飼育研究を開始し、2016年に人工ふ化に成功。その後は、親から子、孫までの世代をすべて人工環境でつなぐ完全養殖を目指していた。

今回、2022年に新潟県上越沖で採取した卵から人工ふ化した3歳魚のノドグロを親魚として採卵を実施。自然成熟とホルモン投与による催熟の両面から試験を行い、最終的に人工授精によって受精卵を得ることに成功した。2025年10月に人工ふ化が成功し、完全養殖が達成された。

現在飼育されている稚魚は2群で、早くふ化した方の群では約6500尾が生育しており、全長は約45~50ミリに達している。稚魚の飼育期間は、2月5日時点で122日となる。今後、これらはおよそ3年で成魚となり、次世代の親魚に育つ見込みだ。

ノドグロは養殖研究の例が少なく、飼育施設や給餌方法、病気対策など基礎的な技術の確立が課題となる。研究グループは今後、飼育技術の安定化を進めるとともに、成長の早さなどに着目した品種改良を行い、養殖に適した種苗の生産を目指すとしている。

画像提供:近畿大学