
AIを使った自動灌水システムで、新規就農者でも高糖度トマトを生産 静岡大
静岡大学の峰野研究室は16日、高糖度トマト栽培のためのAIを使った自動灌水装置システムを開発したことを発表した。トマトの萎れを検知して灌水するシステムで、新規就農者でも高糖度な中玉トマトを容易に生産できるようになる。
トマトは栽培過程で過度な水分ストレスを付与することで、高糖度な果実を栽培できることが知られている。しかし、その時々の植物内の水分量の把握状態に適したタイミングや量の灌水(水やり)を行うことは、経験の少ない新規就農者にとっては判断が難しい。峰野研究室では、2017年度からトマトの自動灌水システムに関する研究開発を開始し、2020年度に実施したHappy Quality(静岡県浜松市)との共同栽培実験では、クラウド型AIによる自動灌水システムによって、高糖度な中玉トマトを安定生産できることを実証した。
今回は、葉の先端と付け根の位置や角度の変化から萎れを定量化するエッジAI型の開発に成功し、それを使ったエッジAI型の萎れ灌水制御システムを構築した。これにより従来の灌水制御システムを使用するよりも、収穫物の糖度が相対的に向上することが確認できた。また灌水量も約12%削減できることがわかり、持続可能な農業の観点からも有用であることが示された。そして、同システムは現場に設定可能な小型コンピュータで作動するため、不慮の停電や無線通信網の不具合といったクラウド型システムで弱点だった課題も解消できる。
今後は長年の経験と勘に基づいて習得したノウハウの効率的な継承や、AIとの協働による農業者の負担軽減を目指すとしている。
(写真はイメージ)

