
チョウの保全を念頭にした森づくり「バタフライフォレスト」が足利市で始動
自然資本の再生を行う林業ベンチャーである青葉組株式会社(東京)と、卓球用品総合メーカー・バタフライ(株式会社タマス)は1月27日、林業の全工程にチョウの保全と生育環境の再生を組み込んだプロジェクト「バタフライフォレスト」を栃木県足利市で始動した。栃木県内の伐採業者と連携して、伐採前の作業道の設計から、伐採後の植栽樹種の設定まで、一貫してチョウの保全を念頭に置いた森づくりを行う。
日本には約240種のチョウが生息しているが、里山環境の変化とともに、その数は急速に減っている。一方で森林整備や林業の現場では、特定の生物種の生育環境まで踏み込んだ設計を行われることは多くなく、経済性を優先させてきた背景がある。
今回の「バタフライフォレスト」プロジェクトは、「生物多様性に配慮した森づくりを行いたい」というタマスが、企業と協働して森を再生している青葉組に相談したことがきっかけで始まった。
プロジェクトの舞台となる足利市には希少な樹種であるフモトミズナラが自生しており、フモトミズナラにはアカシジミ類やミドリシジミ類といった希少なチョウが集まることが知られている。そこで、ナラ類を伐採せず保全した上で、チョウの生育環境全体を再生する自然資本再生計画を策定。約1ヘクタールの林地を「バタフライフォレスト」と名付けて森づくりを実施する。また、チョウの食べものとなる樹種の植林だけでなく、草地エリアを新たに創出するなど、継続的に整備していく。
チョウは幼虫期には特定の植物を必要とし、成虫になると花粉媒介を行う送粉者として自然界で重要な役割を担う。チョウがいなくなると、受粉がされなないなどの植物の絶滅リスクが高まり、生態系が崩れる恐れがある。同プロジェクトでは林業の全工程でチョウを守り、増やすことを目指しながら、今まで経済性を優先させてきた林業現場で、生物多様性の保全も実現し、より多様な価値の創出を目指す。


画像提供:青葉組株式会社

