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深発地震とプレート弱化の仕組みを初解明、ナノ粒子が鍵 九大など

九州大学は10日、深さ400~700 km付近の海洋プレートでの「深発地震」と「プレートの弱化」という二つの相反する現象が起こる仕組みを、世界で初めて実験的に明らかにしたと発表した。地球内部の動的現象の理解が進展することが期待される。この研究成果は国際学術誌『Nature Communications』に掲載された。

深発地震とは、地表から400~700 kmという非常に深い場所で起きる地震のこと。通常、これほど高い圧力がかかる環境では岩石は割れにくく、なぜ地震が発生するのかは100年以上にわたり議論されてきた。一方で、同じ深さでは海洋プレートが折れ曲がって滞留する現象も観測されており、本来は硬いはずのプレートがなぜ弱くなるのかも解明されていなかった。

九州大学などの研究グループは、地球深部に多く存在する鉱物「カンラン石」に注目した。地下深部ではカンラン石が「リングウッダイト」という別の鉱物に変化することが知られている。研究では、地下600 km相当の圧力と温度を実験室で再現し、その変化の様子を放射光X線や高感度センサーで詳しく観察した。

その結果、変化の相転移の過程で数十ナノメートルほどの極めて小さな粒子が帯状に並ぶ構造が形成されることを発見した。この構造は周囲より弱く、変形が集中しやすい「弱化帯」として働いていた。

さらに、このナノ粒子の働きは温度によって変わることも判明した。比較的低温では急激な破壊が起きて地震のような滑りが発生する。一方、高温では破壊は起きず、岩石全体がゆっくり変形してプレートを弱くするという。

つまり、これまで別々の現象として考えられてきた深発地震とプレート弱化は、相転移によって生じるナノ粒子が温度によって異なる振る舞いを示すことで統一的に説明できる可能性がある。

地球では海洋プレートが内部へ沈み込むプレートテクトニクスが活発に働いているが、同様の現象は火星や金星では確認されていない。研究グループは今回の成果について、地球特有のプレート運動やマントル対流の理解を深める重要な手がかりになるとしている。今後はさらに詳しい観測技術を活用し、地球深部で起きる現象の解明を進めるとしている。

深発地震の発生とプレートの滞留

画像提供:九州大学(冒頭の写真はイメージ)