キリンの首はなぜ長い? ゲノム解読で進化の過程解明へ

タンザニアの研究グループがキリンのゲノムを解読し、その遺伝情報から進化の過程で首が長くなった原因を明らかにしたと発表した。この論文は18日に科学雑誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。

キリンといえば長い首と脚が特徴的だが、それ以外にも他の哺乳(ほにゅう)類にはない特徴を持っている。例えば、心臓から2m高い位置にある脳に血液を届けるために、キリンの血圧は他の哺乳類の2倍あり、また血液が逆流しないように特殊な弁を血管に備えている。今回、このような特徴を進化の過程でどのように獲得したかを解明するために、キリンとキリン科に属するオカピのゲノム解読が行われた。キリンと首の短いオカピの遺伝情報を比較した結果、骨格、心臓血管や神経発達に関わる遺伝子に違いがあることが分かり、キリンの首が長くなるのと並行して心血管や神経系も進化した可能性が示唆された。

今回の研究は、キリンの遺伝情報が明らかになっただけでなく、ヒトの心血管疾患や高血圧症の治療にも役に立つ可能性があると筆者らは記している。

 
(写真はイメージ)

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