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カフェめぐり 金沢 森八茶寮本店で晩秋を味わう

カフェめぐり 金沢 森八茶寮本店で晩秋を味わう 

11月の終わりに金沢の「森八茶寮本店」に入った。店は兼六園から東茶屋街に向かう道中、大手町にあり、歩くと10分ほどだ。本店はもともと尾張町にあったが、昨年からこの場所に移転した。森八は加賀和菓子の老舗として390年の伝統をもち、日本三銘菓のひとつ「長生殿ちょうせいでん」という落雁でもよく知られている。

1階は和菓子の店舗で、2階には喫茶スペースがある。窓からは、隣接する武家屋敷「寺島蔵人てらしま くらんど邸」の庭が見える。これを借景にして茶菓が楽しめるというわけだ。

カフェめぐり 金沢 森八茶寮本店で晩秋を味わう
加賀献上棒茶と上生菓子「岩菊」 隣接の武家屋敷庭園を借景に

今回注文したのは、加賀献上棒茶と上生菓子のセット。加賀献上棒茶というのは、新茶の一番茶を茎の旨みを失わないよう浅めに焙じたほうじ茶のことで、芳しい香りとすっきりとした甘みが特徴だ。もともとは江戸時代の初期に考案されたものだったが、1983(昭和58) 年に石川県で行われた植樹祭で昭和天皇に献上したことからこの名がついた。当時、天皇陛下が滞在したホテルでは、とにかく美味しいお茶を提供したいとの思いから東奔西走。ようやくみつけた鹿児島県で一番良質の茎茶から、試行錯誤を重ねてつくったという。

カフェめぐり 金沢 森八茶寮本店で晩秋を味わう
晩秋の景色を窓から楽しめる

そんな経緯のある有り難いお茶を一口頂く。このお茶を飲むのは初めてではないが、気持ちの高揚も手伝って一層甘みと旨みが増すようだ。白あんの練り切りがまた、お茶の味を引き立ててくれる。上生菓子は4種類の中から好きなものを選べるので、薄紫の「岩菊」を選んだ。繊細でふくよかな舌触りに癒される。

また、2階には金沢菓子木型美術館も併設されている。ここには江戸時代から使われてきた菓子木型が千数百点も展示され、英語と日本語の音声ガイドを聞きながら見学することができる。落雁の手造り体験も出来るので、金沢の和菓子文化を堪能したい方にお勧めだ。

カフェめぐり 金沢 森八茶寮本店で晩秋を味わう
森八茶寮本店

【店舗情報】
店 名:加賀藩御用菓子司 森八
住 所:石川県金沢市大手町10-15(大樋美術館向かい)
電話番号:076-262-6251
営業時間:9:00~18:30 (1月・2月のみ9:00~18:00)
URL:http://www.morihachi.co.jp/shop_honten

 
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