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男性の育児休暇を阻む壁 間違った思い込みが一因か 九大

男性の育児休暇を阻む壁、間違った思い込みが一因か 九大調査

男性本人が「男性の育児休暇」を肯定的に捉えていても、同年代の他の男性が「男性の育児休暇」に対して否定的だと考えている場合、育児休暇の取得を控える傾向にあることを20日、九州大学大学院人間環境学研究院の研究グループが明らかにした。

厚生労働省が今年5月に行った発表によると、2016年度の男性の育児休業取得率は3.16%。前年度より0.51ポイント増加しており、1996年度の調査以来最高値となった。近年はメディアなどでも「イクメン」、「イクボス」といった言葉を耳にする機会が増えたが、実際に育休を取得する男性は5%に満たず、多くはない現状だ。そこで同研究グループは今回、社会心理学の観点から、男性の育休取得率の伸び悩む原因を調査した。

20~40代の日本人男性299名を対象にウェブ調査を行った結果、多くの男性は「自分よりも他者の方が男性の育休に対して否定的だ」と推測しており、そのような考えを持つ男性は育児休暇を取得したいと考えていても、取得を控える傾向があることが明らかになった。取得願望は高いにもかかわらず、他者が育休に否定的だと思い込むことで取得を控えてしまう傾向が日本人男性にはあることが示された。

研究グループは、今回の知見を日本における男性の育休取得率の改善に向けた方策に役立てたいとしている。論文は20日、科学雑誌『フロンティアズ・イン・サイコロジー(Frontiers in Psychology)』でオンライン公開された。

(写真はイメージ)

 
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