ニンジンがグッドデザイン賞受賞 栄養価やIoT活用に評価

ニンジンがグッドデザイン賞受賞 栄養価やIoT活用に評価

2017年度グッドデザイン賞が発表され、グッドザイン特別賞ものづくり部門では、デザイン性が高く機能的な炊飯器や照明器具、壁用コンセントなどと並んで、「こいくれない」というニンジンが選ばれ注目を集めている。

「こいくれない」はNKあぐり(和歌山県和歌山市)のオリジナルブランド。2015年から全国で流通するようになった。「こいくれない」は、一般のニンジンにはほとんど入っていないリコピンを豊富に含み、2016年に露地野菜で初めての栄養機能表示(ビタミンA)を実現させた。また、畑に設置したセンサーからリコピンがもっとも含まれる「旬」を予測し、最適な時期に収穫できるようにして品質を保持している。

ニンジンがグッドデザイン賞受賞 栄養価やIoT活用に評価

選別の基準も形ではなく、「リコピン色」をしているかどうかという点だという。「カタチの農業から中味の農業へ」という同社のコンセプトに基づき、すべての品質の基準をリコピンなどの成分を基準として定めている。

「こいくれない」は旬が非常に短く、同じ地域で収穫できる期間が1カ月しかないため、全国に流通させるのは難しいとされていた。しかし全国の農家をつなげた産地リレーにより6カ月間の流通を実現。昨年度は約50万袋を流通させた。2017年秋からは7道県で約800トンの流通を目指す。

今回のグッドデザイン賞の受賞理由は、「こいくれない」の栄養的高価値という強みと、一箇所での生産時期が短いという弱みを、産地リレーとIoT技術を使い解決したビジネスモデルで、そこにダイナミックなデザイン力があると評価された。

画像提供:NKあぐり