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何が違う? 芥川賞と直木賞【ニュースのコトバ解説】

何が違う? 芥川賞と直木賞【ニュースのコトバ解説】

第158回目の芥川賞と直木賞の受賞作家・受賞作が、16日に発表されました。今回の芥川賞には、『百年泥』(石井遊佳氏)と『おらおらでひとりいぐも』(若竹千佐子氏)の二作が、直木賞には、『銀河鉄道の父』(門井慶喜氏)がそれぞれ選ばれました。惜しくも受賞は逃してしまいましたが、今回の直木賞候補には、ロックバンド「SEKAI NO OWARI(セカイノオワリ)」のピアノ担当・saoriこと藤崎沙織氏の作品もノミネートされており、ひときわ注目が集まりました。この「芥川賞」と「直木賞」の、違いや歴史について見ていきましょう。
 

純文学を選考・芥川賞

芥川賞は、正式名称を「芥川龍之介賞」といい、月刊誌『文藝春秋』の発展に大きく貢献した作家・芥川龍之介の功績を称えて創設された賞です。直木賞とはジャンルが異なり、純粋な文学としての芸術性を追求した「純文学」が受賞の対象になります。また、新進作家の中・短編小説と定まっており、お笑い芸人の又吉直樹氏が受賞したのもこの芥川賞でした。過去には、のちにノーベル文学賞を受賞した大江健三郎氏をはじめ、安部公房や遠藤周作、元東京都知事の石原慎太郎氏なども受賞しています。
 

エンターテインメント作品を選考・直木賞

直木賞は、正式名称を「直木三十五さんじゅうご賞」といい、芥川賞と異なり、大衆文学が対象になります。大衆文学とは、芸術性の追求というよりもより読者の娯楽的要求にこたえて書かれたエンターテインメント作品のことです。受賞対象は新進・中堅作家の単行本(長編小説もしくは短編集)で、井伏鱒二や司馬遼太郎も過去の受賞者に名を連ねています。平成に入ってからは、伊集院静氏や東野圭吾氏、江國香織氏といった作家も受賞しています。
 

文藝春秋の創設者・菊池寛による創設

ここまで芥川賞と直木賞の違いや過去の受賞者についてみてきましたが、両賞は受賞対象となる作品のジャンルが異なるだけで、どちらの方が格上ということではありません。賞に名前を冠されている芥川龍之介・直木三十五はともに『文藝春秋』の創設者・菊池寛の友人で、両賞とも菊池寛により創設されました。1935年(昭和10年)に始まって以来、80年以上にわたって日本の文芸界を支え続けてきた歴史があります。毎年1月と7月の年2回発表され、ノミネート作品の中から2名以内の受賞者が選ばれます。該当作品がなく、受賞者なしという回も過去に何度かありました。なお、両賞同時ノミネートということは過去にありましたが、受賞はどちらか一つだけであり、すでに過去にどちらかを受賞している場合は、もう一方にノミネートされることはありません。芥川賞・直木賞ともに、受賞すると懐中時計と副賞100万円が贈られ、芥川賞の場合は『文藝春秋』に、直木賞の場合は『オール読物』に作品が掲載されます(芥川賞は全文、直木賞は一部)。

(写真はイメージ)

 

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