全世界の侵入種の総合カタログ作成

全世界の侵入種の総合カタログ作成

全世界の侵入種を記載する総合カタログの作成を目指す、ニュージーランドおよびオーストラリアなどの研究者による国際共同研究グループが、その最初のデータを23日、「ネイチャー」のオンラインジャーナル「サイエンティフィック・データ(Scientific Data)」で公開した。同データでは20カ国6400種以上を対象とし、そのうち25%の生物種が生物多様性と生態系に悪影響を及ぼしていることが明らかになっている。

外来種は意図的・非意図的に関わらず人為的に移動させられた種のこと。そのうち新しい地域に導入された場合に生物多様性を脅かすと考えられる種を「侵略的外来種」、もしくは「侵入種」という。どの生物種がどこに存在しているかを知ることは、生物多様性や生態系に対するリスクを評価し、新たな外来種の侵入速度を低減する上で非常に重要とされている。

研究グループはこの論文で国際侵入種登録制度(GRIIS)を紹介。これは外来種を高い透明性と再現性で分析・報告できる持続可能なプラットフォームとして、2006年に国際自然保護連合(IUCN)の種生存委員会(SSC)における侵略種専門家グループ(ISSG)によって考案されたもの。研究グループは実例としてチリ、クック諸島、アイルランドなど20地域の国別チェックリストを示し、GRIISが外来種の国別及び世界規模の基準を確立し外来種侵入の動向において、持続可能なモニタリングを行なう国際制度を実現する際に役立つものだとしている。

(写真はイメージ)